設計理念


雪国という地域性

 青森は1年の4分の1は雪野中での生活をしています。雪かきだって大変です。水道が凍る事もあるでしょう。そんな生活の中で雪と格闘しながら毎年冬を越していませんか。格闘するのも一つですが共存する道もあります。

  • 雪かきを極力少なくする玄関アプローチ。
  • 屋根雪は降ろすのではなく乗せておく。
  • 敷地の雪は積もる前に解かすという考え方。
  • 床下を暖める暖房方法は水道凍結の解決にもなります。
  • FF式温風ストーブ1台での24時間暖房。
  • 足下の暖かさが冬の住環境を快適にします。

 雪国住宅は雪と共存する設計計画が基本です。それをベースに

  • 土地の秩序
  • 軸線プランニングの手掛かり
  • デザイン
  • ファッション

 様々な引き出しを開けて設計を進めます。


土地の秩序
 基本計画を進めるにあたりコンセプトが決まらないときに手掛かりを探すために敷地を何度となく歩きます。これは、建築家 宮脇 檀氏の著書にある一節”土地の秩序”を参考にずっと行ってきた行為であり重要な作業だと思うからです。(敷地はそれぞれ個性を持っていてそれをどのように感じ取るかがその後の作業に少なからず影響します。)そこで何を探すのか、敷地形状はもとより、季節といった時間や周囲の建築・風景という街を構成する要素であったり、そこで生活を始めるクライアントのことだったり、とにかく感じ取れる情報を収集して自分の中で整理していくと土地の秩序が見えてくると思います。


軸線(axis)プランニングの手掛かり

 平面計画を考える時に”土地の秩序”で集めたデーターをもとにアプローチ・空間構成などを検討します。
 計画を進める段階で自分の考える”土地の秩序”をもとに基準となる軸線(axis)を本体のキール(背骨)として進めるようにしています。プランニングの手掛かりであり個性的な外観のポイントと考えています。
 軸線は時に方位に基づいたり、街並みだったり、遠くに見える風景だったりします。軸線をいかに決定するかではなく、軸線は土地が導き出してくれるものです。


デザイン
 敷地形状、近隣住宅または周囲の風景が外観をデザインする要素となり、逆にライフスタイル、家族構成、趣味、は空間構成とリンクして内観をデザインする要素となります。デザインには必ず理由が存在します。

 最近色々な既製の建築材料が出ていますが、出来れば設計者や職人さんの仕事がクライアントの方々に伝わるように、時にはローコストを考え建築材料を選択しようと日々考えています。それはクライアントの方々の意向をすべてお聞きしそれを整理しながら基本計画を進める中でつねに平行して進める作業でもあります。また商品住宅とは異なる独自性、オリジナリティはクライアントの方との密な打ち合わせを通して作り上げるもので私たちの事務所で追求するデザインはその様なところから表現されると思います。


ファッション
 住まうということの背景には住まう人それぞれのLife Styleがあると思います。Life Styleは人それぞれの日々の生活の中にあり人によっては自分からデザインし、あるいは人によってデザインされる事もあります。プランニングはクライアントのLife Styleをオープンにして整理していくことで空間構成へとつながり、そこに1つの答えを導き出していく作業だと思います。そこに洋服や靴・小物や鞄・車や家具といったファッションを重ね合わせてみませんか?。個性的な住宅はそういうところにきっかけがあります。
 ファッションはカタチだけでなく心の中にも存在します。


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